根本幸一さんの創り出すうつわには、一つとして同じものがない。
用いる釉は同じでも、微妙に一つ一つの窯変が異なり、おもしろい表情の釉調をかなでている。
その違うさまを愉しみたいうつわだ。
成形は、すべて手ろくろで行われ、釉は異なる三種の釉を用いて作陶される。
目指すところは、禾目天目のような釉調にあるそうで、いちばん最初に結晶釉、次いで二番目に基本となる釉、三番目の釉は、描いたイメージにより霧吹きで噴霧するか、筆を用いて最後の一色を投じるといった塩梅だ。
三種類の釉を駆使するだけに、一色掛けのものより手掛けの按配で、窯変はそれぞれに異なってくる。
それぞれの釉が窯の中で溶けあい、混ざり合い一つ一つ、異なる小宇宙をつくりだす。
時には、浅葱色に輝く湖水のようであったり
暮れなずむ夕景であったり
北欧の国に迷い込んだかのようなオーロラの景であったり
雪解けの頃の湖水だったり~~
そのうち、空を染めるうつくしい夕景にも出会えるのかもしれません。
たのしいですね。
つい数年前までは映像作家をこころざしていらっしゃったというキャリアの持ち主。
なるほど、釉薬とフォルムにこだわり、独自の用の美を創り出したいとおっしゃるのも、うなづけます。
陶芸家としてのキャリアは浅いとはいえ、二年連続で日本クラフト展に入選されるなど、これからが楽しみな作家さんです。
ただ今、代々木上原店でもネットショップでも、ご紹介中です。
どのうつわも、あれこれ使い廻しの利く器に仕上がっていると思います。
よろしかったら、お試しくださいませ。